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2ヶ月半の福岡滞在で学んだ、長期レンタカーの賢い選び方

突然の長期出張。家族帯同での見知らぬ土地での生活。そして避けて通れない移動手段の問題。私が直面したのは、まさにこの三重苦だった。

福岡での2ヶ月半という期間は、短期旅行でもなければ完全な移住でもない。その中途半端な期間設定が、実は最もレンタカー選びを難しくする要因だったのだ。

福岡行きが決まった日の夜、私はスマートフォンで検索を始めた。「福岡空港 レンタカー」と入力し、表示された大手レンタカー会社のサイトで見積もりを取る。75日間、ミニバンクラス、保険込み。

画面に表示された金額を見て、思わず息を飲んだ。40万円を超える見積もり。もちろん、2ヶ月半という期間を考えれば妥当なのかもしれない。しかし、出張とはいえ家族での滞在となれば、宿泊費、食費、その他諸々の生活費がかかる。レンタカー代だけでこの金額は、家計への打撃が大きすぎた。

妻に相談すると、彼女は意外にも前向きだった。せっかくの機会だから、息子に福岡での生活を体験させたい。週末は糸島をドライブして、海沿いのカフェでのんびりしたい。そんな彼女の言葉に、私は改めて「この長期滞在を家族の思い出にしよう」と決意した。

ただし、そのためにはレンタカー代を何とかしなければならない。

解決策は、思わぬところから見つかった。

ある夜、妻がスマホで何やら調べていた。画面を覗き込むと、「マンスリーレンタカー」という文字が目に入った。恥ずかしながら、私はそれまでこのようなプランの存在を知らなかった。

改めて「福岡空港 レンタカー 格安 長期」というキーワードで検索してみると、いくつかのレンタカー会社がマンスリープランを提供していることがわかった。特に目を引いたのが、業務レンタカーのプランだ。

1ヶ月あたり8万5千円程度。2ヶ月半で計算すると、基本料金だけで約21万円。保険やチャイルドシート代を含めても25万円台に収まる計算だ。当初の見積もりの半額以下。この差は大きい。

ただし、安さだけで飛びつくわけにはいかない。2ヶ月半という長期間、家族の安全と快適さを担保してくれる車なのか。そこが最も重要なポイントだった。

さらにGoogleマップで、業務レンタカーの口コミを片っ端から読んだ。特に注目したのは、長期利用者のレビューだ。

「1ヶ月借りたが、車は思ったより綺麗だった」

「マンスリーでも比較的きれいな車両が来た」

「長期だったので多少の不安があったが、スタッフの対応が良く安心できた」

こうした声が多数見られた。一方で、「車が古い」という声も散見されたが、それは価格を考えれば当然のトレードオフだろう。重要なのは、安全性とメンテナンス状態だ。その点については、大きなネガティブコメントは見当たらなかった。

決め手となったのは、万が一の時の対応だった。2ヶ月半もあれば、何かしらのトラブルは起こり得る。タイヤのパンク、バッテリー上がり、あるいは軽微な接触事故。そんな時に頼れるサポートがあるかどうかは、長期利用における重要な判断材料だった。

そしてもう一つ、意外な発見があった。業務レンタカーの福岡空港店は、空港から徒歩圏内にあるという。口コミには「荷物が多かったけど、歩いて5分ほどで着いた」「送迎バスを待つより歩いた方が早い」といった声が複数あった。

長期滞在となれば、スーツケースも大きくなる。4歳の息子を連れての移動も考えると、この「徒歩でアクセス可能」という点は思いのほか重要だと感じた。

最終的に、総額25万円台という価格と、全国展開の大手という安心感、24時間サポート体制、そして空港からのアクセスの良さという4つの要素が、私を業務レンタカーへと導いた。

福岡空港に降り立ち、預け荷物を受け取る。出張初日の緊張と、家族での新生活への期待が入り混じった複雑な心境だった。

「店舗まで歩いて5分くらいらしいよ」

妻にそう告げると、彼女は少し安心した表情を見せた。長旅で疲れている息子を、さらにバスに乗せて移動させる必要がないのは助かる。

空港の外に出て、スマホの地図アプリで店舗の位置を確認する。確かに、徒歩5分ほどの距離だ。大きなスーツケースを引きながら、息子の手を引き、ゆっくりと歩き始めた。

「パパ、まだ?」

息子が聞いてくる。

「もうすぐだよ。あそこに看板が見えるでしょ」

確かに、道路沿いに業務レンタカーの看板が見えた。実際の距離は500メートルほどだろうか。天気も良く、重い荷物さえなければ快適な散歩といった程度の距離だ。

貸出場所に着くと、スタッフが笑顔で迎えてくれた。

「お待ちしておりました。空港からお疲れ様でした」

「いえ、近くて助かりました」

案内されたのは、平成24年式のヴォクシーだった。2012年製、つまり約12年落ちの車両だ。正直に言えば、一瞬の躊躇があった。もっと新しい車を期待していた自分がいたからだ。

しかし、実際に車を見てみると、その印象は大きく変わった。

外装は丁寧に洗車され、小傷はあるものの清潔感がある。内装も使用感はあるものの、しっかりと清掃されており不快感はない。エンジンをかけてみると、スムーズに始動し、異音もない。走行距離は8万キロ程度。年式を考えれば妥当な数字だ。

「メンテナンスはしっかりされているようですね」

スタッフに確認すると、定期的な点検と部品交換を徹底しているとのことだった。特に長期レンタル用の車両は、より厳格な管理体制を敷いているという。

後部座席に設置されたチャイルドシートも、古いものではなく比較的新しいモデルだった。息子を座らせてみると、嫌がることもなくすんなりと収まった。

「これで2ヶ月半か」

そう思うと、不思議と親近感が湧いてきた。新車ではない、少し歴史のある車。でもだからこそ、これから始まる福岡での生活に寄り添ってくれる相棒のように感じられた。

福岡での生活が始まって1週間。平日は工場への通勤にヴォクシーを使い、週末は家族で糸島方面へドライブに出かけた。

最初のドライブで感じたのは、このヴォクシーの運転のしやすさだった。12年落ちとはいえ、ハンドリングは滑らかで、エンジンの反応も悪くない。高速道路での加速も十分で、不安を感じることはなかった。

糸島の海沿いを走る時、窓を開けて潮風を感じる。息子は後部座席で大はしゃぎ、妻は助手席でスマホで次の目的地を検索している。そんな何気ない風景が、この長期滞在の日常となっていった。

1ヶ月が過ぎる頃には、すっかりこのヴォクシーが「自分の車」のように感じられるようになっていた。カーナビの癖も理解し、エアコンの効き具合も把握し、ハンドルを握る手に馴染んでいく感覚。これは短期レンタルでは決して味わえない、長期ならではの体験だった。

順調に思えた福岡生活だったが、6週目にトラブルが発生した。

週末、糸島から帰る途中で突然の異音。タイヤがパンクしていた。幸い、高速道路ではなく一般道での出来事だったが、4歳の息子を乗せた状態でのトラブルは焦った。

すぐに業務レンタカーに電話した。オペレーターは落ち着いた声で状況を確認し、ロードサービスへの連絡を案内された。

実際に40分後にはロードサービスが到着し、スペアタイヤへの交換を手際よく行ってくれた。翌日、カー用品店で自腹交換。パンクの落ち度がこちらにあったから仕方がない。

2ヶ月半の滞在期間中、この平成24年式のヴォクシーは文句一つ言わず働いてくれた。

最新型の車に比べれば、装備は質素だ。自動ブレーキもなければ、スマホとの連携機能も限定的。しかし、だからこそシンプルで、操作に迷うことがなかった。

ある日、妻がこんなことを言った。

「この車、古いけど信頼できるね。派手じゃないけど、ちゃんと働いてくれる」

まさにその通りだと思った。新しい、最新鋭である必要は必ずしもない。必要なのは、確実に動き、安全に走り、適切にメンテナンスされていること。それさえ満たされていれば、製造年式など些末な問題なのだ。

この考え方は、長期レンタルを選ぶ上での一つの指針になるだろう。最新の車を求めれば、当然コストは上がる。しかし、適切に管理された「古い車」は、十分に役割を果たしてくれる。その見極めこそが、賢い選択につながるのではないだろうか。

返却の日がやってきた。

「もう最終日か…」

妻が寂しそうに呟く。息子も、すっかり馴染んだヴォクシーとの別れが名残惜しいようだ。

店舗まで車を運転し、空港まではまた徒歩で戻ることになる。スタッフが車両チェックをしている間、私は改めてこの2ヶ月半を振り返った。

75日間、約5,000キロを共に走った相棒との別れ。オーバーな表現かもしれないが、それほどまでにこの車は私たち家族の福岡生活に寄り添ってくれた。

当初40万円という見積もりに途方に暮れていた自分。マンスリープランという選択肢を見つけた時の安堵。平成24年式と聞いた時の一瞬の躊躇。しかし実際に使ってみて得られた満足感。

もし最初から最新の高級車を選んでいたら、確かに快適だったかもしれない。しかし、それでは得られなかった学びがあった。

コストパフォーマンスの本質は、単なる安さではない。支払った金額に対して、どれだけの価値を得られたか。その観点で言えば、業務レンタカーのマンスリープランと、この平成24年式のヴォクシーは、期待を大きく上回る価値を提供してくれた。

車両チェックが終わり、スタッフに鍵を返却する。

「2ヶ月半、本当にありがとうございました」

「こちらこそ、ありがとうございました。お車の状態も良好です。福岡での生活はいかがでしたか?」

「とても充実していました。この車のおかげです」

「それは嬉しいお言葉です。またのご利用をお待ちしております」

再び空港へ向かって歩き始める。来た時と同じ道。しかし、今度はスーツケースの中に2ヶ月半の思い出が詰まっている。

これから長期滞在でレンタカーを検討する方に、私の経験から得た知見を共有したい。

まず、検索キーワードに「長期」を入れること。これだけで、見つかる選択肢が大きく変わる。日割り計算の延長ではなく、月単位のプランを提供している会社を探すべきだ。

次に、車の年式にこだわりすぎないこと。もちろん安全性は大前提だが、適切にメンテナンスされた「古い車」は、十分に信頼できる。むしろ、メンテナンス体制やサポート体制の方が重要だ。

そして、口コミを読む際は、長期利用者のレビューを重視すること。短期利用と長期利用では、重視すべきポイントが異なる。特にトラブル対応に関するコメントは貴重だ。

店舗のアクセスについても、意外に重要だ。送迎バスがあれば便利だが、徒歩圏内なら自分のペースで移動できる。特に家族連れの場合、この「自分のペースで動ける」ことは想像以上にストレスを軽減してくれる。

最後に、長期レンタルは単なる移動手段ではなく、生活の一部になるということ。その視点で選べば、後悔しない選択ができるはずだ。

福岡での2ヶ月半は、私にとって貴重な経験となった。

仕事では新しいプロジェクトに携わり、週末は家族で福岡各地を巡った。その全てに、あの平成24年式のヴォクシーが寄り添ってくれた。

東京に戻った今でも、時々あの車を思い出す。最新でもなく、豪華でもない。でも、確実に私たちを支えてくれた相棒。

もし次に長期出張の機会があったら、私は迷わず業務レンタカーのマンスリープランを選ぶだろう。そして、どんな年式の車が来ても、きっとそれを信頼できる。なぜなら、2ヶ月半という時間が、私にその大切さを教えてくれたからだ。

空港からの徒歩5分という距離も、今では良い思い出だ。到着した日の期待感、返却した日の達成感。その両方を、歩きながら噛み締めることができた。

本記事は2024年夏の個人的体験に基づいています。レンタカー会社のサービス内容や料金は変更される可能性がありますので、ご利用の際は各社に直接お問い合わせください。

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